発達障害について(2)発達障害とは何なのか

教育

こんにちは。

今回も引き続き、発達障害について、文章を書いていきたいと思います。

まずはじめに、「発達障害とは何なのか」です。

それを理解するためには、最初に、

「そもそも障害とは何なのか」ということから書かなくてはいけません。

〇「そもそも障害とは何なのか」

障害は、社会と個人の相互作用によって起こります。

決して、個人だけの問題ではなく、社会の問題でもあるのです。

社会の発展と障害の出現は、同期しているという仮説があります。

その仮説によれば、

まず、一次産業の発展と共に、身体障害が出現しました。

農業、漁業などの労働を行う際に、肉体労働の課題が生まれたからです。

次に、二次産業の発展と共に、知的障害が出現しました。

工業、建築などの労働を行う際に、知的労働の課題が生まれたからです。

そして、三次産業の発展と共に、発達障害が出現しました。

商業やサービス業などの労働を行う際に、コミュニケーションの課題が生まれたからです。

発達障害については、ここ2,30年で広まってきた概念であると言われています。

時代ごとに社会の要求で、障害は生まれるのです。

哲学的な視点から考えると、これはカテゴリーの問題であると考えます。

カテゴリーは、論理学と深い関係にあり、物事を明確に認識させ、

一つの世界像を体系的に樹立する道具でもあります。

(論理学には、アリストテレス以来、あるいはそれ以前からの伝統があります。)

しかし、問題となるのは、

一つの世界像を唯一のものであると誤認する場合です。

すなわち、上記の例では、

障害とは、時代や社会との相互作用によって規定されるものであるはずなのに、

障害を個人だけの責任として扱うという誤認が多々起こります。

いわゆる、決めつけ、レッテル貼りです。

つまり、障害とは、固定した概念ではなく、

時代を離れての絶対的基準も存在せず、

しかし、時代ごとに一つの世界像の提示として、

確かに存在していると、説明することができます。

〇「発達障害とは何なのか」

そもそも「障害とは何なのか」という上記の考えを踏まえて、

いよいよ本題である「発達障害とは何なのか」を述べていきたいと思います。

先述のように、これは現在の一つの世界像の提示であることを踏まえていただけると幸いです。

世の中には、発達障害とは何なのかを書いた様々な本があり、

それらの本ごとに、記述や定義も微妙に異なることがありますが、

根本的には、一つの世界像の提示にすぎないことを踏まえると、

それらの違いに、あまり敏感になる必要はありません。

自分が一番しっくりくる定義でよいのです。

私が2,30冊読んだ限りでは、基本的な定義や記述は一致しておりましたので、

ひとまず、それを書いていきたいと思います。

〇発達障害の代表的な三領域

発達障害には、代表的なものが三領域あります。

ASD 自閉スペクトラム障害=コミュニケーションの障害

ADHD 注意欠陥・多動性障害=自己コントロールの障害

LD 学習障害=読字、書字、計算などの障害

発達障害には、これらの三領域があるとされます。

また、これらの三領域は重なり合っていることが多く、

一人に対して、一つの特性だけがある、ということではありません。

多くの場合、一人の人間の中に、三領域が混ざり合っています。

人間の内面は複雑なので、当たり前の話ではありますが、、笑

それぞれの領域の特性について、簡潔に記述しましたが、

細かな特性は、また詳しく記述したいと思います。

大事な点は、これらの発達障害は、

個人の自由意志が原因ではなく、

すべて中枢神経系に原因があるとされていることです。

いわゆる脳機能の問題と密接であり、発達障害の根底にその問題があるということです。

(この説も、もちろん一つの世界像の提示であることに変わりありません。)

自由意志は、責任の問題に関わる哲学的に重要な概念です。

次回は、この視点を踏まえて、

「発達障害は単なる努力不足なのか」について、書いていきたいと思います。

長い文章を読んでくださり、ありがとうございました。

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